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皆さんこんにちは!
福岡県大牟田市を拠点に、管工事、機械据付工事、プラント工事、制作・溶接工事、熱絶縁工事、足場仮設解体工事を専門とする
株式会社CBworks、更新担当の富山です。
目次
~“つなぐ”から“創る”へ、進化してきた裏方の技術~
今回のテーマは、「半導体工場における配管工事の歴史」です。
普段あまり語られることのない分野ですが、実はこの“配管”という分野こそ、半導体製造の最前線を支える重要な技術なのです。
半導体工場では、ガス・水・薬液・真空・空調など、実に多様な流体が制御されており、それらを「安全・確実・清潔」に流すための配管システムが不可欠です。その配管技術は、半導体産業の発展とともに、着実に進化してきました。
日本国内で本格的にIC(集積回路)の量産が始まったのは1970年代初頭。この頃の配管は、まだ一般的な工場配管と大きく変わりませんでした。鋼管やフレキホースでガスや水を通し、施工も熟練の職人が図面を見ながら手作業で仕上げるという、ある意味“アナログな技術”が主流でした。
しかし当時でも、「不純物が混ざらないこと」「液体やガスを漏らさないこと」はすでに重要視されており、作業の丁寧さと信頼性が求められていました。
半導体製造における“クリーンルーム”が本格導入されると、配管工事の在り方も大きく変わります。ホコリや微粒子が製品に混入することを防ぐため、施工時の発塵リスクを最小限に抑える工法が求められるようになりました。
この時代に導入が進んだのが、以下のような技術です:
不活性ガス(窒素・アルゴンなど)を流しながらのTIG溶接
ステンレス鋼管・PFA・PVDFなどの高純度材料の採用
ユニオンレスな溶接継手によるリーク防止対策
また、配管内部の凹凸や酸化膜が製品に悪影響を及ぼすことがわかり、溶接内面の酸洗浄・洗浄工程が加わるなど、施工そのものが“製造品質”に直結する時代に突入していきました。
2000年代に入ると、半導体はいよいよ微細化競争の時代へ。10nm、7nm、さらには3nmプロセスといったナノスケールの製造が始まり、少しの不純物や気泡、温度変化が製品不良に繋がるようになります。
これに対応するため、配管も進化を遂げます:
電解研磨されたステンレス管の使用
高純度ガス専用の2重管施工(インナー管+リーク検知)
工場でのプレファブ施工と現地での最小接続化(モジュール化)
ガスラインごとの色分け・識別・管理票の徹底
配管工事はもはや、建設業ではなく“製造工学の一部”とも言えるレベルにまで高度化しているのです。
現在の半導体工場では、配管施工においてもBIM(3D設計)やレーザースキャナによる位置測量、トレーサビリティのデジタル管理が導入されています。
また、建設プロジェクトの進行管理も、スマートフォンやタブレットを活用したクラウド上での共有が主流に。
もはや配管工事も「現場で汗をかく職人仕事」だけでなく、「技術と情報を駆使するマネジメントの仕事」へと進化しているのです。
私たち配管工事業者は、こうした歴史の中で技術を磨き、現場の信頼を積み重ねてきました。
次回は、そんな現場で日々守り続けている“鉄則”について、より実践的な内容でお届けします。
次回もお楽しみに!
福岡県大牟田市を拠点に、管工事、機械据付工事、プラント工事、制作・溶接工事、熱絶縁工事、足場仮設解体工事を専門としております。
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